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長期運営計画について

平成22年9月6日に開催された第121回代議員会において、基金制度を長期にわたり安定的に運営するため、予定利率引下げを柱とする「長期運営計画」が定められました。

□長期運営計画策定の背景

当基金は、設立以来すでに四十数年を経過し、加入員のみなさまの老後の所得保障において大きな役割を果たしてきたところです。しかしながら、制度の成熟化とともに、基金制度を取り巻く環境は大きく変化してまいりました。
ご承知のように、近年のリーマンショックによる世界同時の経済金融危機による運用環境の悪化は、基金の財政運営にも大きな影響を及ぼしました。

 当基金と国の公的年金の運用状況の推移(グラフ1)を見てみますと、特に運用規制の緩和・撤廃が行われ、自主的な運用が可能となった2000年以降において収益率の格差が顕著となり、資産運用は大きく上ブレ、下ブレする状況となっています。この運用状況の傾向は当基金に限らず全基金に共通したものです。



このような経済環境の変化が当基金の財政運営状況へ及ぼしている影響をみてみますと、基金独自の加算部分につきましては、年金資産運用の結果として生じた収益によって、財政運営上の前提である予定利率を上回る実績利回りを実現できず、結果として掛金で給付を賄うことができずに資産を取り崩さざるを得ない状況となっています。国の代行部分につきましては、財政中立化により厚生年金本体の実績利回りを確保すればよいことになっているにもかかわらず、代行部分に相当する積立金 の運用が高リスク運用となっているため、運用利差損となる状況も生じています。また過去勤務債務の償却に当てる特別掛金収入につきましても、加入員数の減少や標準報酬の低下等によって思うように進まない等の問題が顕在化している状況となっています。


□長期運営計画策定の目的

このような状況の下、行政サイドにおいては各種緩和措置が講じられてはいますが、基金財政を取り巻く厳しい状況は依然変わりなく、その一方で加入員の老後の所得を保障するとともに公的年金を補完するものとして、当基金の果たすべき役割はますます大きなものとなっています。

そこで、こうした基金を取り巻く環境の変化に的確に対応するため、本来行うべき施策を計画しておき、将来、その環境が整った時に着実に実行に移すことにより、長期的に安定的な事業運営、財政運営が確保できるよう、解決すべき課題とその対応策を取りまとめたものが長期運営計画で す。

□財政運営上の課題とその対応策について

1.予定利率の引下げ

当基金の予定利率(財政運営上における積立金の運用利回り、将来の給付や掛金を算定する利率)は、代行部分については国の厚生年金本体の予定利率3.2%、加算部分については5.0%と設定しています。また、最低責任準備金の算定については、国の運用実績に連動することとなっているため、毎年度の資産運用上の収益見込みである期待収益率は、国の予定利率と運用実績、基金加算部分の予定利率、運用報酬等を勘案して定めることとなり、株式などリスク性資産への投資割合を高めに設定せざるを得ない状況となっています。

このことは、昨今の世界経済・金融市場の混乱時には大きな影響を受け、多額の運用損失が生じ、財政上掛金の引上げに影響を与えるほどの原因ともなっています。  また、将来にわたって毎年度5%以上の収益を確保することは現実的には難しく、予定利率の引下げが焦眉の急となっております。

予定利率の引下げによって運用の目標収益率を下げることができるため、運用資産の配分を株式等のリスク性資産から債券等の安全性資産へ相当程度シフトすることが可能となりますので、昨今のような経済・金融市場の変動による影響を受けにくく必要な収益が確保しやすくなることから、基金財政の安定化が図れることとなります。

予定利率の引下げは、不足金発生のリスクを抑制し基金財政の長期的な安定化に大きく貢献することから、できるだけ低めに設定することが望ましいのですが、制度設計上、予定利率を引下げると予定した運用益が少なくなり、引下げ前との収益差が発生するため、規約で約束 した給付を賄うためこの収益差については、何らかの財源措置によって対応することが必要となります。

したがいまして、本計画においては、所要財源の規模ならびに国の厚生年金本体の予定利率等を総合的に勘案し、予定利率引下げの目標については、当面3%とし、原則として、予定利率引下げ計画の開始年度から最終予定目標である3%に達するまでの間、段階的に毎年度引 き下げる計画(グラフ2)としました。

なお、本計画においては、毎年の財政検証や財政再計算の結果必要となる不足金解消のための掛金負担は除き、目標達成までの間、実施時の掛金負担水準を維持するとともに、予定利率引下げのための給付水準の引下げは行わないこととしております。


2.基本ポートフォリオの変更

資産運用においてはリスクの最小化、収益の最大化を目指し投資資産の最適な組み合わせを基本ポートフォリオとして策定し、これに基づいて運用を行っています。予定利率の引下げに伴い、基本ポートフォリオの変更を行うこととします。具体的には、内外株式のリスク性資産を債券等の安全性資産へ相当程度移管することとし、これにより経済・金融環境の変動の影響を限りなく減少させ、基金財政の安定が図れることとなります。

3.その他の対応策

景気回復の動向を見極めつつ、引き続き、設立母体との連携により、未加入事業所の加入促進による適用拡大を図ります。

また、他基金との合併について検討することといたしました。

長期運営計画の実施時期

長期運営計画において、予定利率引下げ計画は、基金の財政状況を勘案し、代議員会の議決に基づいて実施します。これに伴う基本ポートフォリオの変更につきましては、短期的な市場予測に基づくことなく、年金財政における中長期的な観点から策定することといたします。また、策定時の諸条件が著しく変化した場合は、必要に応じて見直しを行います。未加入事業所の加入促進による適用拡 大につきましては、設立母体との連携を密に実施いたします。他基金との合併の検討につきましては、基金関係者間の合意形成が不可欠であり、具体的な検討の開始に際しては、代議員会の議決に基づいて行うものといたします。 
  予定利率の引下げを柱とする長期運営計画は、名のとおり20~30年を見据えた計画であります。景気の回復など環境が整った時点において、逐次実施していくことといたします。事業主、加入員、受給者のみなさまのご理解とご協力をいただいきますようお願いいたします。